訪問看護のイメージってどのようなイメージですか?
一人で訪問へ行くのが大変、経験やスキルが必要、とにかくきつくてブラックなんじゃ・・などと思っていませんか?
私もこの道に入るまでは、そのように思っていました。そんな私が訪問看護師として働き出してから感じた訪問看護の魅力について、この記事では書いていきたいと思います。
訪問看護をはじめた3つのきっかけ
まず私が訪問看護をはじめたきっかけについて。
①クリニック勤務時に、医師の往診に同行していたことで、在宅医療の必要性について学んだことにあります。自宅で過ごしたいというご本人、また自宅でみてあげたいというご家族の支援に魅力を感じました。
②ゆったりと看護がしたいと思ったから。病院では、患者様とゆっくりお話ししたいと思っても、業務に追われそんな時間とれないですよね。
③夜勤がないということ。病院よりはいろんな働き方ができるため、ワークライフバランスが実現しやすいのではと思います。プライベートを充実させてからこそ、仕事も頑張れる!
訪問看護の仕事って?
訪問看護の仕事内容を簡単にあげると、ご自宅に伺い利用者様の体調管理、医療処置をおこなう、利用者様やご家族の精神的ケアや生活支援など本当に幅広いです。
でも、病院のようにいろんな処置や時間に追われることはないので、ゆっくりコミュニケーションをとりながら、ケアをおこなうことができます。一対一だからこそ、会話も弾むということもあります。
お一人お一人と向き合って、いろんなお話させてもらえるのが楽しみになりました。
ちょっとした会話というのも大切で、コミュニケーションをとりながら、身体的なケアをおこなうのはもちろんですが、ご利用者様やご家族様の声を聞くことで、どのようにお家で過ごしたいかを一緒に考えていき、日常生活に寄り添いながら看護をすることができるのです。
病院とは違い、自宅だからこそ、ケアの仕方や計画目標実現にむけての方法など、柔軟に考えることもできます。
私の実際の体験事例
ここで私の実際に体験した事例を2例ほど紹介します。
ケース1 余命宣告で桜が見れないと言われた利用者様とお花見へ
Aさん、70代の女性で医療職。体調管理と内服管理、清潔援助のため60分の支援でした。最初の頃は自分でできるからと、訪問看護の利用は躊躇されてましたが、体力低下も感じるようになり受け入れていただけるようになりました。痛みはありましたが、内服薬で和らげることができていました。
Aさんはがんで余命宣告を受け年末に退院。
春の桜は見れないだろうと言われていました。退院時は自分でできることはされており、体調をうかがうための訪問でした。その後徐々に体力的な低下はみられ、入浴の介助はさせていただいてました。
春になり体調は安定されていましたので「今年も桜が見れそう、桜がみたい」と言われ、お花見を計画!
写真も撮って、後日写真立てにいれ、プレゼントさせていただきました。
その後、しばらくして亡くなられましたが、桜をみれたこと、写真も本当に喜んでいたとご家族様から感謝のお言葉をいただけました。
食欲がなくなってきている利用者様と手巻き寿司パーティー
Bさんは80代の女性。アルツハイマー型認知症を発症後は意欲低下が強く、食事や入浴も声掛けしてもなかなかできず。介護サービスもなかなか受け入れが難しく、利用はされていませんでした。そのため家事、介護とも旦那様がすべてされていたため、負担は大きいものでした。体調管理と認知機能低下の予防のため、訪問看護の利用を開始されました。
Bさんはアルツハイマー型認知症で旦那様と2人暮らし。老老介護でした。
食事の準備は、旦那様がされていましたが、ほとんど食べず困っているとのこと。
子供さん達とも疎遠で、旦那様が一人で頑張っておられました。
節分の時期になり、みんなで手巻き寿司でも作ろうと計画。
集まれるスタッフで、みんなで手巻き寿司作りを実施!
季節を感じてもらうこともでき、手巻き寿司を作るというリハビリにもなる、何よりみんなで食べることで、食事を楽しんでもらうことができました。
旦那様が、涙ぐみながら喜んでいただけていたのが、本当に嬉しかったです。
旦那様はプリントなどの作業は好まれなかったため、その都度いろんなイベントを考え、その中でご自分でしていただく作業を提案していきました。
お一人お一人にあわせ、臨機応変に対応することも大切になってきますね。
まとめ
施設内の訪問看護をしていたころ、病院とは違うからとよく聞かされていましたが、在宅の訪問看護を経験してから、本当にそうだなと実感しています。
このような経験から、訪問看護において本当に大切になってくるのは、コミュニケーションだと感じます。
最初はなかなか関わることが難しい方も、少しずつ会話を積み重ねていけば、信頼関係の構築につながっていきます。
今後ますます高齢化社会が進んでいきます。
最期は自宅で過ごしたい!!
最期は自宅で過ごしたいと言われる利用者様は大変多いです。
だからこそ、ますます訪問看護の役割は、重要だと私は考えています。
利用者様一人ひとりの生活を支え、寄り添った看護ができる、そこから喜びややりがいを感じることができ、いろいろな症例を通して学びも多くあります。
ぜひ訪問看護の道に足を踏み入れてみては?